部屋の印象を左右する窓まわりのアイテム。その中でも「ブラインド」は、見た目のスタイリッシュさと、光や視線を調整できる機能性の高さから、とても注目されています。とはいえ、いざ選ぶとなると「種類が多すぎて違いが分からない」「どれを選べば失敗しないの?」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、代表的な3つのブラインド――アルミブラインド・ウッドブラインド・バーチカルブラインド――の特徴を比較しながら、用途やインテリアスタイルに合った選び方をわかりやすくご紹介します。初めての方にも理解しやすいよう、専門用語はかみ砕いて解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
アルミブラインド|コスパと機能性を両立する定番アイテム
まずご紹介するのは、もっとも一般的な「アルミブラインド」です。薄くて軽いアルミ素材の羽(スラット)が横方向に並び、角度を変えることで光や視線を調整できる構造が特徴です。
このタイプのブラインドは、価格が比較的リーズナブルで、カラーも豊富。アクセントカラーを取り入れたいお部屋にもおすすめです。また、アルミという素材の特性上、水に強く湿気に強いのも大きな利点。キッチンや洗面所、トイレなどの水まわりでも安心して使えるため、家庭内のさまざまな場所で活躍してくれます。
特に賃貸住宅で人気が高いのは、軽量で取り付けが簡単な点です。既存のカーテンレールに設置できる商品もあり、壁に穴を開ける必要がないのはうれしいポイントです。ただし、装飾レールや特殊な形状のレールには対応できない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

(参考:ニチベイ)
一方で、アルミブラインドにはデメリットもあります。たとえば、羽の角度を調整することで外からの視線をある程度遮ることはできますが、上方向を遮ると下からは見えてしまうという構造上の特性があります。
つまり、窓の向こうがマンションのベランダの場合など、上下方向の視線が気になる窓には向いていないと言えます。そういったケースでは、内側にレースカーテンを併用することでプライバシー性を高めるのが良いでしょう。

振れ止めホルダー(ニチベイ)
また、開けた窓から風が吹き込んだ際に、スラットが風にあおられてバタバタと音を立てることもあります。こうした“金属特有の音”が気になる方は、「振れ止めホルダー」などのオプションパーツを活用すれば、かなり改善されます。
ウッドブラインド|温かみのあるデザイン性で空間を格上げ
次にご紹介するのは、「ウッドブラインド」と呼ばれる木製のブラインドです。天然木の風合いや温かみを活かしたデザインが特徴で、インテリアにナチュラルな雰囲気をプラスしたい方にはとてもおすすめのアイテムです。
ウッドブラインドの大きな魅力は、その“存在感”です。カーテンでは出せない立体感や重厚感があり、特にフローリングや木製家具との相性は抜群。北欧テイストや和モダン、ナチュラル系のインテリアともよく調和します。調光のしやすさもアルミブラインドと同様で、日中は明るさを取り入れつつ、夕方には外からの視線をしっかり遮ることができます。
ただし、天然木であるがゆえに湿気には弱く、浴室やキッチンなど湿度の高い場所での使用は避けたほうがよいでしょう。その代わりに、木目調の樹脂スラットを採用した「ウッド調ブラインド」であれば、見た目はそのままに水まわりでも使える仕様になっています。また、高層マンションなどで防炎機能が求められるケースでも、樹脂製なら対応可能な商品が増えてきました。

(参考:TOSO)
操作性に関しては、木製ブラインドはどうしても重量があるため、コードやループでの昇降操作に多少の力が必要になります。窓の開け閉めが頻繁な場所では、手軽に降ろせる「ワンタッチ降下タイプ」のブラインドを選ぶと、日々のストレスを軽減できます。
バーチカルブラインド|大きな窓を美しく見せる縦ラインの魔法
最後にご紹介するのは、縦型の「バーチカルブラインド」です。名前の通り、縦方向に並んだ布状のルーバー(スラット)が左右にスライドして開閉するスタイルで、主に掃き出し窓や間仕切りとして使われることが多いタイプです。
このブラインドの最大の魅力は、スッキリとした縦のラインが空間に与える“開放感”と“スタイリッシュさ”です。特に、天井が高いリビングや広い窓に使うと、空間がぐっと上質に見えます。
横型ブラインドと違い、上部に畳み上げたときの“たまり”ができないので、リビングなどの掃き出し窓におすすめです。さらにバトン操作のタイプなら、出入りしたい分だけをサッと開けるだけでいいのも日常使う中では便利な点といえます。
さらに、縦型のルーバーはホコリがたまりにくいという意外なメリットも。ウォッシャブル対応の商品であれば、ルーバーだけを取り外して洗濯できるので、清潔さを保ちたい方にもおすすめです。
ただし、風が強く当たるとルーバーがパタパタとなびいて音が気になる場合があります。そういったときは、下部にコードを通してルーバー同士をつなぐ「ボトムコード仕様」を選ぶと、安定感が増します。

(参考:タチカワブラインド)
また、ルーバーの角度によっては、外からの視線が通りやすくなる場合もあります。そんな時は、厚手のドレープ生地とレース生地を交互に配置した「センターレース(ペアアンサンブル)タイプ」にすることで、プライバシー性を保ちつつ、採光も確保できます。
自分の暮らしに合ったブラインドを選ぶために
ここまで、アルミブラインド・ウッドブラインド・バーチカルブラインドの3種類を比較してきました。それぞれに特徴があり、使うシーンによって最適な選択肢は変わってきます。
例えば、水まわりや賃貸住宅ではアルミブラインド、リビングで落ち着いた雰囲気を演出したいならウッドブラインド、広い掃き出し窓にはバーチカルブラインドがぴったりです。価格や素材だけでなく、「どの部屋に、どんな目的で設置したいか」を軸に選んでいくことで、より快適な住空間をつくることができるでしょう。
もし迷ったときは、カーテンと組み合わせて使うこともひとつの方法です。たとえば、アルミブラインドの外側にレースカーテンをプラスするだけで、ぐっと柔らかい印象になり、視線対策にもなります。
まとめ|ブラインド選びで暮らしをもっと快適に
ブラインドは、ただの“目隠し”ではなく、住まいの快適性や美しさを高める大切なアイテムです。今回ご紹介した3つのブラインドには、それぞれ異なる個性があり、どれを選んでも暮らしをより豊かにしてくれる可能性を秘めています。ライフスタイルやインテリアの好みに合わせて、ぜひ最適なブラインドを見つけてみてください。
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