インテリアコーディネートは、自分の部屋を理想的な空間にすることができる手法で、そこに「色」はとても深くかかわってきます。以前に「インテリアコーディネートする際に知っておきたい「色」の話 – トーン –」という記事でトーンの話をさせていただきましたが、「色」には他にも与える印象や作り出す効果があります。
今回は、「色の効果」についてお話させていただきます。
・膨張色と収縮色
色には「膨張色」と「収縮色」があります。白色と黒色が並ぶと、同じ大きさのものでも白色が大きく見え、黒色が小さく見えることがあるのをご存じですか?これは膨張色である白色が、他の色に比べて膨らんだり、広がったように錯覚を起こすからです。(膨張色は主に白、赤、黄色があります)反対に黒色は収縮色のため、引き締まって見える錯覚を起こしています。
これは明度(色の明るさ)との関りも深く、明度が高い色は大きく見え、明度が低い色は小さく見える効果があります。明度が似た色を並べると、色相が異なっていても、見かけの大きさはあまりかわりません。こういった効果を利用し、室内の壁に白などの明るい色を使うと、天井が高く、広がりを感じる室内を作り出すことができます。
・軽い色と重い色
また、明るい色は軽く見え、濃い色は重く見える性質があります。これは明度の高低で決まり、色相の違いはあまり関係がありません。明度の高い色ほど軽く見え、明度の低い色ほど重く見えます。
これを利用して天井の色に濃い色を使用すると、天井が低く見え、圧迫感を感じるようになります。しかし、上から覆われ、包まれた感じが心地よい空間を作る場合があり、寝室など落ち着き感を演出したい場所には向いています。逆に天井に明るい色を使用し、床に濃い色を使用した場合、床に重みが出てくるため安定感がある開放的な空間を作ることができるでしょう。
・進出色と後退色
色には近くに見える「進出色」と遠くに見える「後退色」があります。主にオレンジや赤などの暖色系や明度の高い色は進出色、ブルーや青紫などの寒色系や明度の低い色は後退色と呼ばれています。
暖色系を壁などの広い面積に使うと、他の色に比べて前に迫って見えてくるため、部屋が狭く感じられます。反対に、寒色系には遠くに見える効果があるため、部屋に奥行を持たせたい場合は、一番奥の壁に寒色を用いることで室内に奥行きを感じる効果をもたらすことができます。
・柄による見え方
柄などのモチーフは、部屋の雰囲気を変えてくれます。室内の壁に縦のラインを用いた場合、室内を縦長に見せてくれるため、天井を高く感じられるようになります。反対に、室内の壁に横のラインを用いた場合、部屋が横長に感じるようになり、天井を低く感じる効果が出てくるでしょう。
また、無地や小柄、薄い色の壁紙は空間を広く見せる効果があり、部屋に広がりを出すことができます。反対に、大柄や濃い色などは存在感が強くなるため、室内を狭く見せる効果が出てきます。狭い部屋の壁紙やカーテンにドット柄を選ぶ場合は、水玉が小さくて色が薄いものを選ぶといいでしょう。
・まとめ
室内を落ち着いた空間や開放的な空間に仕上げたいという方は、色の効果を知っていると、理想の部屋が作りやすくなります。これは壁紙だけでなく、窓装飾品(カーテン・ロールスクリーンなど)を決める際にもとても有効です。インテリアコーディネートに悩まれている方の参考になりましたら幸いです。