知っておきたい!ロールスクリーン選びの基本と生地の秘密とは

布や竹などの素材をくるくると巻き上げる「ロールスクリーン」。カーテンと違って、スッキリとした見た目で、お部屋の雰囲気をガラリと変えられる人気の窓辺のインテリアアイテムです。しかし、その選び方次第で快適度が大きく変わることをご存知でしょうか?今回はそんなロールスクリーンの基本機能と生地にまつわる秘密をお教えします。

 

  • ロールスクリーンって何?

ロールスクリーンは、窓辺のプライバシーを守り、日光の調整ができる便利なアイテムです。ロールカーテンやロールブラインドと呼ばれることもあります。

上部の筒状の部分に巻き取られた生地を、紐やチェーンを引っ張ることで、上下に動かすことができるのですが、全て巻き上げれば窓から外の景色を楽しめ、適度に下げればプライバシーを守りつつ明るさを確保できます。また、生地の素材によっては、完全に光を遮断したり、程よく光を取り入れたりと、調整することが可能です。

お部屋の雰囲気に合わせて、素材や色、柄を選ぶことができるのも魅力です。カーテンとは違うシンプルなデザインで、納まりもコンパクトなので、窓辺をスッキリと見せることができます。また、カーテンと比べると、すとんと落ちる一枚布なのでほこりもたまりにくく、普段のはたき掛けなど、お手入れも簡単です。

 

  • なぜ生地に「硬仕上樹脂加工」が必要なのか?

サンゲツ CSロールスクリーン

サンゲツ / CSロールスクリーン:OPR539・カーテン:OP3111

大きな掃き出し窓にはカーテン、腰高窓にはロールスクリーン…同じ部屋にテイストを合わせてコーディネートするのもおしゃれです。選択肢は少ないですが同じお揃いの生地にすることもできます。しかし、カーテンとはどこかが違う?何かが違う?お気づきでしょうか。

ロールスクリーンの生地にはカーテン生地より『ハリ』があります。主に「硬仕上樹脂加工」と呼ばれる加工が施されているのですが、なぜ必要か?あまり考えたことはないと思います。実は、ロールスクリーンがスムーズに動く理由がここにあります。

例えば、カーテンのような柔らかい生地だと、巻き取る際に生地がずれたり、シワができたりしてしまいます。硬仕上樹脂加工を施すことで、生地に適度なハリと硬さを持たせ、スムーズな昇降を可能にしているのです。そしてもちろん、ほつれの防止や伸縮防止など、見た目の美しさを保つための技術でもあります。

この硬仕上樹脂加工の技術によって、ロールスクリーンはスムーズな操作とピンと張ったきれいな状態が保てているという訳です!

 

  • 硬仕上樹脂加工方法の種類について

タチカワブラインド シェラーフ

硬仕上樹脂加工は素材などによって主に3つの方法があります。

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1.ディッピング加工(含浸加工・がんしんかこう)
ディップ=液体に浸すこと
含浸=固体内部の隙間に、液体などを浸み込ませること
意味の通り、生地に樹脂材を浸み込ませてハリと硬さを持たせる加工方法です。

2.コーティング加工
コーティングとは、表面を覆うことです。樹脂を塗布して表面を覆い、生地にハリと硬さを持たせる加工方法です。アルミブラインドならフッ素コートや遮熱コートされたスラットも、この「コーティング加工」にあたります。

3.ラミネート加工
生地に塩ビフィルム等を貼り合わせる加工方法です。生地にハリと硬さが出るだけではなく、防水性も優れ、汚れてもすぐにふき取ることができます。
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生地の組織や加工目的によって加工方法は変わります。例えば、遮光1級A以上の遮光性能にしたい場合、裏面にアクリル樹脂をコーティングしている場合が多いです。

ロールクリーンのカタログの「生地組成」を見てみると、「裏面アクリルコーティング」や「ポリ塩化ビニルラミネート加工」などと記載されています。小さいサイズですが実際の生地も貼付されているので、是非触ってみてください。それぞれの加工によって生地のハリや感触が違っているのがわかると思います。

 

  • 見た目だけじゃない!機能性を高めるための加工技術

ロールスクリーンの生地には、硬仕上樹脂加工以外にも様々な加工が施されています。例えば、防炎加工、防汚加工、抗菌加工、UVカット加工、ウォッシャブル加工、遮光や遮熱加工など。これらの加工により、ロールスクリーンは見た目の美しさだけでなく、機能性も高められているんです。

お子様のいるご家庭では、清潔な環境づくりに「抗菌加工」や、汚れたら洗える「ウォッシャブル加工」などが役立ちそうですね。寝室で使いたい場合は「遮光」がある方がぐっすり眠れます。このように使うシーンに合わせて機能性も必ずチェックしてください。

タチカワブラインドのデジタルカタログでは、「安全で快適」「環境にやさしい」「クリーン」と3つのポイントに分類して生地性能を説明してくれています。わかりやすく参考になると思いますので、よければご覧ください。

▼参考リンク
タチカワブラインド 「ロールスクリーンラルクシールド」 生地性能とマークの見方

 

  • ロールスクリーンとシェードの違い

ロールスクリーンと似ている窓装飾にシェードがあります。同じような上下昇降で操作する布製のブラインド製品ですが、クルクル巻き取るロールスクリーンと違い、ヒダをつ作ってたくし上げるような折りたたみ式の昇降になります。

硬仕上樹脂加工は必要なく、生地をそのまま縫製、加工するので、ファブリックの柔らかい風合いも楽しめ、優雅でやさしい雰囲気を演出することができます。また、カーテンと共生地で作ることができるので、選択肢も多く、統一感のあるコーディネートが可能です。

しかし、ロールスクリーンと比べると”たたみ代”と呼ばれる折りたたむスペースが大きく、畳み上げたときに窓を隠す部分が多いので注意が必要です。部屋のスタイルや用途に合わせて選ぶと良いでしょう。

 

  • ロールスクリーンの課題と展望

経年劣化は避けられないものです。日差しがきつい窓で一日中スクリーンを降ろしていたり、窓辺が高温多湿だったり、1日の昇降回数が多かったり、耐久性は使用環境によって大きく変わります。

例えば、ロールスクリーンは、使い続けるうちに生地が反ったり、波打ったりすることがあります。これは硬仕上樹脂加工が原因の一つと考えられています。縦横比率や昇降頻度、操作方法によって巻きずれ等の昇降トラブルの発生率も変わってきます。

これらの課題を解決して、もっと快適に、長く使えるロールスクリーンの実現に向けて、メーカーは日々研究を重ねているのです。そして、加工技術の進歩により、より耐久性の高いロールスクリーンが開発されつつあり、おしゃれで機能的、そして長く使えるロールスクリーンが、これからも進化し続けること期待したいですね。

 

  • まとめ

いかがでしたか?ロールスクリーンは、見た目の美しさだけでなく、実は高度な技術が詰まった製品で、快適に使い続けるための秘密が隠されていました。自分にぴったりのロールスクリーンを選んで、素敵なお部屋作りに役立ててください!

 

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