スラット バリエーション編に引き続き、操作方法編をお届けします。
日々操作するブラインド、操作感は大事ですよね。でも案外、操作方法にいくつか種類があることをご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は国内大手ブラインドメーカー3社(タチカワブラインド・トーソー・ニチベイ)の操作方法にスポットを当てて比較してみたいと思います。
電動で操作ができるウッドブラインド(木製ブラインド)は3社ともに販売していますが、実際の住宅利用では電動を選ばれる方は少ないので、手動での操作に限定してご紹介していきます。
タチカワブラインド
タチカワブラインドでは「チェーン操作」「チェーン操作(ワンタッチ降下)」「ポール操作」、3種類の操作方法があります。
チェーン操作はその名の通り、操作部分が樹脂製のチェーンです。もちろん通常操作以上の力が加わると外れるジョイント部分があるセーフティーチェーンなので安全性も高く、摩耗しにくい素材なので耐久性も優れています。また、チェーンのカラーも11色(+オプションカラー3色)と豊富なので、よりスラットカラーと調和します。
では次に、それぞれの操作方法を簡単にお伝えいたします。
- チェーン操作
1本の操作チェーンでブラインドの昇降もスラットの角度調整もできます。また、操作内部にギアを搭載しているので、木製で重みのあるブラインドでも軽い力で操作ができるようになっており、大きな窓にもおすすめです。
室外側(奥)の操作チェーンはブラインドを降ろすとき、室内側(手前)の操作チェーンはブラインドを上げるときに使います。スラットの角度を調整するときは、操作チェーンを少し引くと角度が調整できるのですが、どちらのチェーンを引くかでスラットが傾く方向が変わります。室内側(手前)を少し引くと室内側に、室外側(奥)を少し引くと外側に向けてスラットが傾きます。
- チェーン操作(ワンタッチ降下)
上記のチェーン操作と見た目は全く同じですが、下降させる操作に違いがあります。ワンタッチ操作と名前がつくように、室外側(奥)の操作チェーンを少し引くだけで、ブラインドがゆっくりと自動で降りてくれます。途中で止めたいときは、反対の室内側(手前)のチェーンを少し引くと止まります。
他の操作は同じで、室内側(手前)のチェーンを引くとブラインドが上がり、室内側(手前)を少し引くと室内側に、室外側(奥)を少し引くと外側に向けてスラットが傾きます。
ブラインドを降ろす操作が楽なので、大きな窓や複数の窓があるときには特におすすめできる操作方法です。ただし、製作可能な最大面積がチェーン操作は6平米までなのに対し、ワンタッチ操作は5平米までなので、窓の大きさによってはワンタッチ降下で製作ができない場合もあります。
- ポール操作
ポール操作は、スラット幅25mmと35mmのみに対応している操作方法で、昇降操作は操作コードで、スラットの角度調整はチルトポールで行います。
操作コード下に引くとブラインドが上がり、降ろすときは少しだけ下に引くとスルスルと下降します。このとき再び操作コードを少し引くと途中で止まります。(降ろしている途中は操作コードから完全に手を離さないでください。)また、スラットの角度調整はチルトポールを左右に回ることで回転します。
横幅は330mm~、製作可能な最大面積は2平米までで、取付けはコンパクトに納まるため、小窓や腰高窓におすすめの操作方法です。
トーソー(TOSO)
トーソーの操作方法は「ループコードタイプ」「自動降下タイプ」「コード&ロッドタイプ」と3つの操作方法があります。タチカワブラインドとの大きな違いはチェーンではなくコード(化学繊維)になっているところでしょうか。ループコードの色はホワイト~ダークブラウンまで6色の中からスラットに一番近い色がついてくるようになっています。
では、それぞれの操作方法を見てみましょう。
- ループコードタイプ
製品名「ベネウッド」は、このループコードタイプのウッドブラインドのことです。ロープ状のコードでブラインドの昇降もスラットの角度調整も行います。タチカワブラインドのチェーン操作と同じ感じで、奥(室外側)のコードを手繰るとブラインドが下がり、手前(室内側)のコードを手繰るとブラインドが上がります。角度調整も奥か手前のコードを少し引くとスラットの角度が変わります。
- 自動降下タイプ
注文するときの製品名は「ベネウッドタッチ」になります。自動降下タイプは見た目はループコードタイプと同じです。ワンタッチで自動降下する便利な操作方法で、スラットを降ろすときは奥(室外側)のコードを40cmほど下にひくとゆっくりと自動的に降りてくれます。途中で止めたいときは手前(室内側)のコードを少し引くと止まります。
ブラインドを上げたい時と、角度を調整したい時の操作は、ループコードタイプと同じ操作です。降ろしきるまで手繰り続ける必要がないので、高さのある場合や、頻繁に出入りする窓にはとても便利な機能です。ただ、やはり製作サイズには制限があります。桐は6平米まで、その他のスラットは5平米までになりますので、あまり大きい窓では製作ができません。
- コード&ロッドタイプ
製品名「ベネウッド小窓」は、このコード&ロッドタイプになります。小窓向けのウッドブラインド用の操作方法で、最小幅は300mm~製作が可能で、最大面積は2平米までになります。
操作は昇降コードでスラットの上げ下げを、操作棒を回してスラットの角度調整を行います。昇降操作は少しコツがあり、内側に傾けた状態で下方向に引くとブラインドが降ろせます。このとき外側に振ると途中で止めることができます。また、上げるときはスラットを水平にして、昇降コードを下に引くと上がり、途中で手を止めるとそこで止まります。
ニチベイ(Nichibei)
ニチベイの操作方法は「ループコード式」「ループコード式(自動下降式)」「コード式」の3種類になります。操作部はトーソーと同じくスラットカラーと同色系のコード(化学繊維)です。それぞれの操作方法の詳細は以下の通りです。
- ループコード式
昇降操作、調光操作(角度調整)ともにトーソーのループコードタイプと同じ操作方法ですが、製作可能面積が標準タイプなら7.92平米までと大きなサイズのブラインドでも製作が可能な点は魅力です。もちろん大きなサイズのウッドブラインドでも軽い操作で昇降できます。
なお、ベーシックなタイプの「クレール」はスラット幅35mm、50mm、両方対応しています。スラットに穴のない高遮蔽タイプの「クレールグランツ」は50mmのみとなっています。
- ループコード式(自動下降式)
注文するときは「クレールタッチ」という製品名で、50mm幅のスラットのみ対応しています。こちらも他メーカーと同じく、奥側のコードを引くと自動的に下降し、下降途中で手前のコードを少し引くと停止し、手前のコードを引くと上昇します。また、操作コードの手前か奥かを引くことでスラットを回転させることができます。なお、製作可能面積は5平米までになります。
- コード式
昇降コードと調光コード、別々のコードで操作する操作方法になります。昇降コードはブラインドの内側についている方で、ブラインド上部と一番下のボトムレールを繋いでいるコードです。このコードを少し内側に引いてから上げ下げをすることでブラインドを昇降させ、外側に引くと止まります。調光コードはブラインドの外側にループ状についているコードです。このコードを左右に引くとスラットの角度が変わります。
タチカワブラインドの「ポール操作」やトーソーの「コード&ロッドタイプ」と同じく、ループコード式よりも細めのコードで操作をするので、あまり大きな窓には向いていません。最小幅は250mm~、最大面積は2.5平米までとなります。
製作可能サイズについて
上記の操作方法のご紹介の中にも少しお話していますが、メーカーや製品ごとそれぞれに製作可能サイズが違っています。製品はたくさんあるので抜粋して、ベーシックなタイプの木スラット(桐や竹、樹脂製などを除く)での製作可能サイズを表にまとめました。
取り付けたい窓でも作れるかどうか、確認したい時の参考にしてください。
まとめ
タチカワブラインド、トーソー(TOSO)、ニチベイ(Nichibei)、3社の操作方法について比較しました。
小さめの窓なら、ポール操作かコード&ロッドタイプかコード式。この3つはメーカーそれぞれ見た目にも少し違いがあるので、デザインの好みが分かれるかも知れません。
大きな窓なら1本のチェーンやコードで昇降・調光ができるタイプがおすすめで、もしサイズ制限内ならワンタッチで自動降下するタイプにするとブラインドを降ろす操作が安全かつ快適になります。
タチカワブラインドは他のチェーン製品とも統一感が出せることと一定以上の荷重がかかると外れる安全性と摩耗しにくい点は特徴です。トーソーとニチベイはロープ状のコードですが、木スラットの雰囲気に馴染む柔らかさがあります。気になる安全性は付属のコードクリップで子供の手の届かない位置にさっと束ねることでカバーできます。
なお、タチカワブラインドのウッドブラインドでチェーンではなくコードにしたい場合、無料オプションでコードに変更することができます。
それぞれの窓に合う操作方法を決める参考になりましたでしょうか。操作方法を決めたら、導線や障害物の有無などを考慮して、操作位置も考えておきましょう。日々の操作が快適なウッドブラインドが設置できますように。
※2021年5月現在の製品情報です。
参考記事
ウッドブラインド おすすめ メーカー3社徹底比較 – スラット バリエーション編
ウッドブラインド おすすめ メーカー3社徹底比較 – 機能・オプション編
ウッドブラインド おすすめ メーカー3社徹底比較 – 価格・保証編
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