「ニュートラルカラー」で室内を揃えることで、シンプルな色使いでもおしゃれな空間にすることができる、と近年注目されているカラーをご存じですか?落ち着いた色味でコーディネートされた室内は、リラックスして過ごせる空間になり、おしゃれなのに自然体で癒されると多くの人々に人気です。この「ニュートラル」な色調とは何か?見ていきましょう。
・ニュートラルカラーとは?
ニュートラルカラーとは、彩度のない無彩色、白や黒、グレーなどの色味の無い色の範囲のことです。「ニュートラル」とは「中立」や「はっきりしない」「中性」を意味し、無彩色を示しています。
インテリアの業界では範囲が広くなっており、「定番色(白・アイボリー・ベージュ・ブラウン・グレー・黒)の中でもごく低彩度で、一定の明度がある色」もこの分類に含まれています。また、純白や真っ黒はコントラストが強く緊張感があるため、インテリアでは難易度が高く、これらの色は省かれる傾向にあります。
ニュートラルカラーは鮮やかな色のような高揚感はないものの、癒しや安心感をもたらしてくれ、「穏やかに淡々と暮らしたい」という現代人のスタイルに合った色だそうです。これらの色が求められている一因には、環境問題や自然への回帰、癒しに対するニーズの高まりが背景にあります。
・和モダンと合う癒しカラー
ニュートラルカラーはおしゃれなのに自然体なカラー。この色調のインテリアはセンス良く仕上がりながら、リラックスできる点が魅力です。また、日本人は地味な色を好む傾向があり、若い世代を中心に暮らしまわりでもその傾向が出てきています。
そのきっかけはグレー系のフローリングシートの普及し始めた際に、同時期にモルタル素材が一般住宅でも使用され始めたことが影響しています。クールなグレー系インテリアで室内をコーディネートすることが流行り、その流れがニュートラルカラーのトレンドにつながったそうです。
・コーディネートのポイント
ニュートラルカラーの空間では、ベースに明るいニュートラルカラーを選びましょう。広い面積を占める壁、床、天井、大きな家具です。コントラストが強い純白を控え、オフホワイトやアイボリー、ライトグレーなどがおすすめです。窓周りは壁や天井と同じく、空間に与える影響が大きい場所です。インテリアではベースを控えめな中間色でまとめたいため、窓周りも主張を抑えると全体になじみやすいでしょう。
フラットになりやすいニュートラルカラーの空間では、壁の素材や色にこだわって奥行きを感じさせる、表情のある中間色を選びましょう。一部の壁をタイル貼りや、質感のある塗料で陰影を出したり、ムラ感のある壁紙が効果的です。また、使用するインテリアにも異なる質感や素材を取り入れて、空間内にリズムを出すことを意識するとメリハリがついてくれます。
そして、平坦になりがちなニュートラルカラーの空間では引き締め役が重要です。特に取り入れやすいブラックカラーは、ベージュ系、グレー系を問わずほぼすべてのニュートラルカラーと相性が良い色です。しかしブラックカラーはインパクトが強すぎるため、分量が多くなりすぎないよう家具の脚・照明・雑貨・アートなどで少量取り入れて下さい。
また「ニュートラルカラーだから」と低彩度色ですべてをまとめすぎると寂しい印象に陥りがちです。他のカラーをアクセントとして取り入れると、空間がさらに魅力的になりますので、相性が良くて失敗の少ないグレイッシュな色から挑戦してみましょう。
・まとめ
ニュートラルカラーは、無彩色を中心とした落ち着いた色合いの集まりです。「色彩」という要素が少ないため、無機質で冷たい印象を与えがちですが、自然素材との相性がとても良い色の集まりになります。積極的に観葉植物などを取り入れると、平坦になりがちなニュートラルカラー空間にリズムが生まれ、空間にメリハリがつきおすすめです。その他、木・リネン・ウール・コットン・などの自然由来の素材もアクセントとして使いやすいため、空間の単調さを改善したい時は、カーテンやクッションなどインテリアに取り入れてみてはいかがでしょうか。