ブラインドについて、商品の機能性や基礎知識などご紹介しておりますが、そもそもブラインドとは?どのように生まれたのでしょうか?実はブラインドには古い歴史があり、その中で進化しています。現在では、一般的となった機能性の高い便利なブラインド。今回は、ブラインドの豆知識として、その歴史をたどってみてみましょう。
ブラインドのはじまり
「ブラインド」というとアルミ製の横型ブラインドを連想することがほとんどではないでしょうか?これは、今からおよそ5000年前、エジプトのファラオ王朝時代に作られたブラインドが原型だと言われています。当時は、今のようなプラスチックやアルミ製ではなく、帯樹の葉を利用したスクリーン状のもので強い日差しを遮り、人目を避け通風を良くするために、戸口や窓辺にぶら下げていたそうです。その後、ペルシャの商人がこのスクリーン状のものを自国で紹介し、形態が様々に変化しながら世界中に伝わっていったと言われています。
現在、最も一般的に使用されている横型ブラインドの原型が生まれたのは、イタリアのベニスといわれています。水の都・ベニスでは、上から降り注ぐ太陽光のほかに、水に反射して跳ね返ってくる下からの光も遮る必要がありました。このどちらの光も遮ることのできるブラインドの形が大変効果的であり、横型ブラインドの原型「ベネシャンブラインド」(ベネチアンブラインド)が生まれました。
現在のアルミ製ベネシャンブラインドは1946年、アメリカのハンター・ダグラス社が開発・発売したものが最初であり、ブラインド業界のパイオニア的存在となっています。ちなみに、現在、ヴェネツィア市内で「ベネシャンブラインド」の名前を訊ねると、「ペルシャーナ」という答えがかえってくるそうです。
その後、住環境や人々の意識の変化によって、ブラインドに対するニーズが多様化したため、改良が盛んに行われ、様々なタイプのブラインドやメカ類の商品が発売されるようになりました。
日本でのブラインド
タチカワブラインドは1938年に創業、ブラインドの製造・販売を開始、TOSO(トーソー)は1949年に会社設立、1978年にインテリアブラインドを発売、ニチベイは1941年に創業、戦後よりブラインドの製造を開始しました。その後、ブラインドは次々と大型ビルに採用され、大型・電動式といったビル向けのブラインドが開発されていきます。
ブラインドは元々、オフィスなどの商業社向けでしたが、1965年頃から家庭用のブラインドが発売され、将来性のある商品として、日本での台風や春先の強風、高温多湿の梅雨などの日本の気候や外部環境に適応させるため、いくつかの技術的なハードルを超え、家庭でも簡単に使えるような操作性、様々なインテリアに合うデザインのブラインドが生まれていきました。日本ではカーテンが一般的だった中、1980年代に遮光性や日光の採光調整が可能なブラインドはとても人気が出ました。
ブラインドの現在
横型のブラインドは、以前は事務所や会議室など主に業務用に使用されていることが多かったのですが、現在は、スラット(はね)の幅が15mm、25mm、50mmなどラインナップも増え、住宅事情の変化にともないデザイン、機能性などラインナップが増え、一般家庭にも非常に使われてきています。細かなポールの操作で光をコントロールできたり、優れた断熱性や多種多様な機能は、カーテンでは生み出せない部分でもあります。
現在のブラインドには、アルミ製のほか、木製、布製と様々な素材の製品のブラインドがあり、また、大きくても小さくても窓の形に合わせたブラインドや耐水性のあるブラインド、穴を開けずに取り付けられるブラインドなど…お客様のニーズに合わせて進化しています。
省エネに関心が集まる昨今は、断熱性をさらに高めることが重要課題となっており、遮熱効果のあるブラインドなど人気が高くなっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今から5000年も前から原型がつくられていたとは驚きです。歴史の古いブラインド。現在の多種多様なラインナップは、時代の変化やメーカーの企業努力の結果に生み出されたと思うと、さらに魅力に惹かれますね。