夏場に強い日差しが窓から入ると、やはりウィンドウトリートメント(カーテン・ブラインド)の「遮熱効果」を気にされる方は多いのではないでしょうか。
窓などの開口部から室内に入ってくる熱エネルギーは65%~75%とも言われています。つまり、暑い夏を快適に過ごすためには、窓から侵入する熱エネルギーを軽減することが重要です。
最近では、各メーカーで横型ブラインドの「遮熱コートタイプ」を取り扱っていますので、日射しの強い窓はぜひこちらのタイプのブラインドを使いたいものです。今回はその「遮熱コートタイプ」スラットの性能について、各メーカーの数値をご紹介します。
・赤外線反射率とは?
赤外線とは熱をよく伝える性質があり、熱エネルギーに多く含まれる、暑さのもとになる電磁波です。熱線とも呼ばれています。私たちの体も含め、熱を持つものはすべて赤外線を出しています。
日射のうち、波長780nm以上の比較的熱に代わりやすい領域の反射率を、赤外線反射率と呼んでいます。遮熱コートを施しているスラットは、赤外線領域の反射率が高くなっており、熱エネルギーの発生と室内への侵入を低減してくれています。大手ブラインドメーカー3社ではこの赤外線反射率を出されていますので、比べてみましょう。
▼タチカワブラインド
タチカワブラインドでは、「カルアベージュ」「サンドグレー」で赤外線反射率を算出されています。「カルアベージュ」が70.8%、「サンドグレー」が71.6%といった数値になっています。黒に近い色は光を吸収しやすいため、「サンドグレー」の一般(通常)スラットが約30%の赤外線反射率でしたが、遮熱コートを施すことで、70%を超える赤外線反射率になっています。※数値が高いほど赤外線をよく反射しています。
▼ニチベイ(Nichibei)
ニチベイでは、「ナチュラルベージュ」「アッシュグレイ」の赤外線反射率を算出されています。「ナチュラルベージュ」が70.0%、「アッシュグレイ」が62.6%といった数値になっています。※ニチベイでは各色の赤外線反射率をカタログに掲載されていますが、今回は上記2色を紹介しております。
▼トーソー(TOSO)
TOSOでは、「エコライトベージュ」「エコグレー」で赤外線日射反射率を算出されています。「エコライトベージュ」が70.6%、「エコグレー」が59.6%といった数値になっています。
・日射反射率とは?
また、以前の「賢く省エネできる!遮熱コートスラットの効果を徹底比較!」の記事で日射反射率を紹介させていただきました。日射反射率とは、スラット(はね)にあたる太陽から届く日射(赤外線を含む)全体の反射率を表したものです。こちらも数値が高いほど、赤外線を含む日射全体をよく反射していることになり、より高い「遮熱効果」を得ていることになります。タチカワブラインド・ニチベイ・TOSOでは各色の数値をカタログに掲載されていますので、赤外線反射率と合わせて確認しましょう。
・日射熱取得率とは?
日射熱取得率とは、ガラス窓に入射した日射熱が、日射遮蔽物(ガラス+ブラインド)を通して室内に流入する割合です。数値が小さいほど日射熱を遮蔽する(流入する熱量が少なくなる)ことになり、遮熱性能が優れていることになります。こちらの数値はニチベイで製品別でカタログに掲載されており、どの製品の日射熱取得率が低いかを確認することができます。
・まとめ
大手メーカー3社の遮熱コートの効果をご紹介しました。3社の「赤外線反射率」は、かなり似た数値となっていますが、「グレー」色では少し差がひらくかたちになりましたね。また、以前の記事で紹介した「日射反射率」や今回紹介した「赤外線反射率」は、それぞれのカラーによって数値が異なります。(基本的に明るめの色は数値が高く、暗めの色は比較的数値が低いという傾向になっています)
「遮熱効果」「省エネ効果」の高いブラインドを期待されている方は「日射反射率」「赤外線反射率」の数値が高いもの、「日射熱取得率」の数値が低いものを選ばれると、より高い効果を得る事ができます。省エネ製品を選ぶ際の参考になりましたら幸いです。
※日射反射率・赤外線反射率は分光光度計による測定値をJIS R 3106「板ガラス類の透過率・反射率放射率・日射熱取得率の試験方法」を準用し算出したものです。また、上記数値は、各メーカー独自の試験で算出したものであり、性能を保証するものではありませんので、ご注意ください。
※2017年12月現在の記事になります。製品の仕様変更に伴い、詳細が変更する事があります。