玄関のスリット窓は、採光やデザイン性を高めるために設置されることが多くあります。しかし、外から家の中の様子が見えてしまうことがあり、特に夜間は室内の明かりで中が見えやすくなるため、家族の動きや在宅状況が一目で分かってしまいます。また、外から玄関の内部が見えると、「留守かどうか」「どんな暮らしをしているか」を空き巣に悟られてしまう可能性があり、防犯面でも不安を感じる方が多いようです。
「明るさは欲しいけれど、見られたくない」そんなジレンマを解消するためには、目隠しアイテムの導入が効果的です。目隠しを上手に取り入れると、すっきりと整った印象の玄関に見せることができ、来客に対しても好印象を与えられるのでおすすめですよ。

・玄関スリット窓の目隠しに使えるアイテム一覧
〈ブラインド(アルミ・ウッド)〉
最も一般的なのはブラインドです。羽根の角度を変えることで光の入り方を調整でき、視線を遮りながら明るさと通気性も確保できます。デザイン性も高く、アルミは価格が手ごろで機能的、ウッドは高級感があります。
〈ロールスクリーン・シェード〉
布を上下に昇降させるロールスクリーンやシェードは、すっきりとした見た目で人気です。透け感のある生地を選べば明るさを保ちつつ目隠しができます。遮光タイプの生地を選べば防犯性も高まるでしょう。
〈すりガラス風フィルム〉
窓に直接貼るタイプの目隠しフィルムは、工事不要で簡単に取り付けられます。光は通しながら、視線だけを遮ることができるため、費用を抑えたい方やDIY派におすすめです。
〈カフェカーテンや突っ張り棒活用〉
小さな布を吊るすだけで簡単に目隠しできるカフェカーテンは、柔らかい印象でインテリア性も高く、手軽にできるのが魅力です。突っ張り棒を使えば賃貸でも傷をつけずに設置することができ、布の柄を変えるだけで季節感を楽しむこともできるでしょう。

・ブラインドを選ぶ時のチェックポイント
玄関のスリット窓に設置するブラインドを選ぶ際には、デザインや価格だけでなく、日々の使い勝手や安全性も含めてトータルで考えることが大切です。ここでは、失敗しないために押さえておきたい5つのポイントを解説していきます。
まず意識したいのは「採光と目隠しのバランス」です。せっかく目隠しをしても、光まで遮ってしまうと玄関が暗くなり、圧迫感を与えてしまいます。羽根の角度を細かく調整できるブラインドなら、外からの視線をカットしながらも自然光を上手に取り入れられるので、明るさとプライバシーを両立できます。
次に大切なのは「部屋の雰囲気に合わせたデザイン」を選ぶことです。玄関は家の第一印象を決める場所なので、空間全体のインテリアと調和させることがポイントになります。シンプルでスタイリッシュな空間にアルミブラインド、自然素材を取り入れたナチュラルな家にはウッドブラインド、柔らかく温もりのある雰囲気を演出したいならファブリック製品(シェードやカフェカーテンなど)がおすすめです。素材を選ぶことで統一感が生まれ、より洗練された印象になります。
「子どもやペットがいても安全に使えるか」も重要な視点です。操作コードが長いと首や体に絡まる危険があるため、小さなお子様がいる家庭ではチャイルドセーフティ機能の付いた製品やコードレス仕様を選ぶと安心です。さらに、ペットがいる場合は汚れや傷に強い素材を選ぶことで、清潔さと耐久性を長く保てます。
また、賃貸住宅に住んでいる方は「壁や窓枠を傷つけずに取り付けられるか」を考えておきましょう。原状回復が求められる環境では、ビスを打たずに設置できる突っ張り式のブラインドが便利です。
最後に、見落とされがちなのが「手入れや掃除のしやすさ」です。玄関は外気やホコリが入りやすく、汚れが溜まりやすい場所。アルミブラインドは羽根の表面をハンディモップなどで払うだけで、日常的なメンテナンスがしやすい点がメリットです。一方、ファブリック製品は温かみのある雰囲気が魅力ですが、定期的に取り外して洗えるタイプを選ぶと清潔さを保ちやすくなります。

・購入前に知っておきたいポイント
玄関のスリット窓に設置する目隠し用のブラインドやロールスクリーンは、デザイン性や価格だけでなく、購入前にいくつかのポイントを確認しておくことが大切です。ここでは、後悔しない選び方をするために押さえておきたい要素を整理しています。
〈採寸と取り付けのコツ〉
スリット窓は幅が非常に細かいため、数ミリの誤差でも仕上がりに大きな差が出ます。特に窓枠の内側に収める「天井付け」と、枠の外側に設置する「正面付け」では印象が大きく変わり、内付けはすっきりと収まる一方、外付けは光漏れを防ぎやすいというメリットがあります。どちらの方法にするかを決めたうえで正確に採寸することが、見栄えと使い勝手を左右するでしょう。
〈費用相場と予算の考え方〉
玄関のスリット窓向けのブラインドやロールスクリーンなら、1万円前後から購入できます。より高級感を求めてウッド素材を選ぶと、数万円程度かかることもあります。コストを抑えたい方には、貼るだけの窓用フィルムや簡易カーテンといった方法もあり、数千円で目隠しを実現することが可能です。予算と目的に合わせて無理のない選択をしましょう。
〈どこで購入するのが安心?〉
仕上がりの美しさやサポート体制を重視するなら、専門店での購入がおすすめです。プロによる採寸や施工を依頼できるため、安心して仕上がりを任せられます。「通販」は種類が豊富で価格帯も幅広く、比較しながら自分に合った商品を見つけやすいメリットがあります。「ホームセンター」は手軽に低価格で購入できる点が魅力ですが、採寸や取り付けは自分で行う必要があります。どこで購入するかによって、手間や仕上がりに差が出るため、自分のスキルやこだわりに合わせて選ぶと良いでしょう。

・まとめ
玄関のスリット窓は、プライバシーや防犯の面で「小さなリスク」を抱えやすい場所です。しかし、ブラインドやロールスクリーン、フィルムなどのアイテムを上手に取り入れれば、外からの視線を遮りつつ明るく快適な空間を保つことができます。「外からは見えないけど、光が入る安心の玄関」を実現できれば、家族にとっても来客にとっても心地よい空間となり、暮らしの満足度は高まるのではないでしょうか。
