LIXILのTOSTEMブランドから「外付けブラインド」が新発売されました。ブラインドと言えば、家の中の窓に取り付けるものというイメージが強いと思います。実際ほとんどのブラインド製品は屋内で使うものですが、屋外に取り付けることで更に快適な住環境にしてくれる効果があります。そのような外付けブラインドについてお話をしたい思います。
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外付けブラインドの効果
日本ではあまり見かけることはないですが、環境先進国のドイツなどヨーロッパでは多くの一般住宅にも普及している“外付けブラインド”。その一番の効果は高い断熱と遮熱性能にあります。熱の流入をみた場合、一般住宅でもオフィスでも、外から入ってく熱の70%以上は窓などの開口部からです。
スラット(羽根)の角度が自由自在に変えることができるので、プライバシーを守りながら部屋に自然の光を採り入れることができる点は室内ブラインドと変わりません。しかし、屋外にあることで窓ガラスを通して室内に日射熱が入る前に遮ってくれるので、暑い夏の場合なら室内の温度上昇をより抑えて、冷房効率を高め、省エネになるというわけです。古くから日本の住宅で簾(スダレ)やよしずが使われていたのもうなずけます。
また冬の場合なら、日中は太陽の高さに合わせてスラットの角度を調整すると太陽の熱を取り込むことができたり、スラットを閉じると暖房してあたたかい部屋の熱が窓から外に逃げないようフタのような役割もしてくれます。
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製品紹介
今回新発売された商品を含め、外付けブラインドを2点ご紹介します。
LIXIL「外付ブラインドEB」
夏なら太陽の熱を約85%カットして室内の温度上昇を抑えてくれる、リクシルの「外付けブラインドEB」は、スラット角度も自由自在に調整できるので、季節や時間などシーンに合わせて光と風をリモコン操作で簡単にコントロールできます。カラーバリエーションは、ボックス・ガイドレールが5色、スラットが4色、テープ類が2色あり、外観に合わせて20通りの組み合わせができるようになっています。サッシの横幅も3,510mmまで対応可能なので、リビングに面した大きな窓や柱連結の窓にも取り付け可能です。
素材は耐食性に優れたアルミ合金で、テープ(コード)類も切れにくい特殊繊維を使用しているので、屋外環境での耐食性・耐候性にも優れています。オプション品にはなりますが、風や明るさを感知して、自動でブラインドが可動するセンサーも販売されており、陽光センサーが陽が昇ると自動的にブラインドを上げて、沈むと閉じたり、風力センサーが風が強くなると自動的に全開してくれるので急な天候悪化時も安心です。
※参考価格(横幅1,690mm×高さ2,430mmの場合)475,000円
タチカワブラインド「コンホルト」
タチカワブラインドから販売されている外付けブラインド「コンホルト」は、一般住宅向けではなく、オフィスや店舗・施設向けの製品になるのですが、前出の「外付けブラインドEB」と同じく、太陽の輻射熱を約82%遮断してくれて、窓から入る熱を約18%にしてくれる省エネ効果の高い製品になります。スラットカラーは全5色。操作方法は手動(ハンドル式)と電動の2タイプあり、製作可能な製品寸法も手動式なら幅5000mm・高さ5000mm、電動式でも幅4000mm・高さ4000mmとかなり大きな窓にも製作可能となっています。
もちろん屋外設置用につくられているので、防錆処理を施し、コードなどの繊維類も耐候性を持つポリエステル繊維を使用しています。引っ張り強度についていも、44~60kg/本と耐久性と強度にも優れており、強風が吹いても大丈夫な設計です。また電動タイプなら、ブラインド下降時に障害物に接触すると自動的に停止する機能もついているので故障を防止してくれます。
※価格はメーカーへ要問合せ
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その他 外付け製品
横型ブラインドではありませんが、トーソーからはマイテックアウター「タート」と「カイト」、ニチベイからは「ソヨカ」が一般住宅向けの外付けロールスクリーンとして販売されています。両メーカーともに採光性と透視性に優れたメッシュ調で透け感のある生地なので、スクリーンを降ろしても室内が暗くならず、外の景色も見える上に、日射熱が室内に入る前にカットしてくれるので、夏のエアコン代の節電にもなる省エネに効果的な製品です。
窓の外に吊るしてクルクルと上に巻き上げたり、日射しを遮り風を通したいときは下にすとんと降ろして使う…まさに日本古来の簾(スダレ)の洋風版といった感じではないでしょうか。価格の点でみると外付けブラインドは電動部品もあったり少し高額になりますが、外付けロールスクリーンは上記外付けブラインドEBの参考価格と同サイズの場合、6~7万円程度とお求めやすいのも特徴です。
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まとめ
一年中快適に心地よく、過ごしやすい室内環境を叶えてくれる外付けブラインド。夏は熱を遮り、冬は熱を採り込み、光や風や視線もコントロールできる優れものです。家族や友人が集まりくつろぐリビングの窓に、室内ではなく屋外にブラインドを取り付けると、快適さだけではなく、室内をさらにすっきりとした空間にできます。また、お手軽に夏の日射し対策をするならば、外付けロールスクリーンもおすすめです。
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