カーテンや壁紙、床材、椅子生地…室内空間を彩るインテリア商品を総合的に扱っている国内大手メーカーの「サンゲツ」。ご存じの方も多いと思います。
そのサンゲツが積極的に取り組んでいるSDGs活動の一環として、地球環境を守るサスティナブル(=持続可能な、ずっと続けていける)な社会の実現に向けて、アップサイクルとしての可能性を持つ試みをスタートさせたので、是非ご紹介したいと思います。
リサイクルとアップサイクルとは?
リサイクルとアップサイクルの違い…よく分からない方も多いと思います。どちらも不要になった廃棄されるものを再利用することは同じなのですが、「原料に戻す」か「そのままを活用する」かに違いがあります。
リサイクルは「原料に戻す」方です。例えばペットボトルがポリエステルの繊維になって、衣類として生まれ変わったりしています。空き缶を溶かして自動車部品や鉄道のレールになるのはリサイクルです。
アップサイクルは「そのままを活用」する方です。さらに新しい価値を加えて、言わばアップグレードさせることで「創造的再利用」とも呼ばれています。空き缶をおしゃれにペイントして小物入れやプランターにするのはアップサイクルになります。
ポリエステル繊維をリサイクル
今回サンゲツは、3月4日に新たな価値創造拠点としてオープンさせた「PARCs Sangetsu Group Creative Hub(PARCs)」に、ポリエステル繊維をリサイクルして生まれた土「TUTTI(トゥッティ)」(※)を植栽エリアに利用しています。(※「TUTTI」スタイレム瀧定大阪株式会社の登録商標です。)
- 軽い
- 保水性が安定
- 通気性が高い
- 長期間の利用が可能
- 手が汚れにくい
- 虫が発生しにくい ※無機肥料利用の場合
と、メリットも多く室内でも扱いやすいのが特徴で、従来の培養土と同じように野菜や花、苗木などを育てることができるそうです。
使用済みカーテンを利用
そして、今回このPARCsで使用されている「TUTTI」のポリエステル繊維は、「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」で回収されたポリエステル製のカーテン生地を原材料の約20%使用しているんです。
スタイレム瀧定大阪株式会社と協働して実現した取り組みで、カーテン生地を使用した製造は初めてのこと。廃棄物『不要になったカーテン』を活用し新たな価値ある製品『土』に再生する、アップサイクルしたオリジナル版の「TUTTI」です。
使用済みカーテンが土になるまで
「サンゲツカーテン・エコプロジェクト」で回収されたカーテンを粉砕します。それを特殊混合した人口ゼオライトなどと混錬してできたものが“繊維でできた土”「TUTTI」です。
まとめ
廃棄物の量を削減しつつ、オフィスには緑が増える。ゴミが減ることで焼却によるCO2排出量が減らせる。植物が増えると光合成でCO2を吸収してくれる。もちろん緑が増えると私たちも自律神経を安らかにしてくれるリラックス効果や癒しの効果といった直接的な恩恵も増えますね。
使用済みカーテン繊維が土になることで、サンゲツが目指している「持続可能な資源循環」を実践しています。現在はカーテンだけですが、ポリエステル繊維を使用したバーチカルブラインド(縦型ブラインド)など、可能性は広がりそうです。環境にやさしい、地球にやさしい新しい取り組み、今後このような取り組みがますます増えていくのではないでしょうか。